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第9話 死の回避方法

Penulis: フクロウ
last update Tanggal publikasi: 2025-12-25 19:00:13

「死に戻り? 魔法の一種か?」

 フリーダはこめかみに人差し指を当てると首を横に振った。

「あんた、見た目通り魔法は使えないみたいだけど、そんな魔法あるわけないじゃない」

「む……。たしかに私は魔法が使えない。じゃあ紋章か? 紋章の力で」

 魔法は、その才がある者が紋章を体に宿すことで使えるようになる。だが、魔法とは別に紋章は多種多様な力を有する。

 だから、私の知らない「死に戻り」という紋章があるのかと思ったのだが……。

「紋章なら、記憶にあるはずでしょ? 腕か額かどこかに宿した記憶が。それがないから困ってるんじゃない?」

「た、たしかにそうだ」

「本当に剣一本で戦ってるのね。だとしたら強すぎだけど」

 手のひらを向けると、フリーダは部屋の中を行ったり来たりし始めた。

「だけど、紋章は数え切れないほど存在するし、新しい紋章も研究されている。どこかにそういう紋章がある可能性はあるわ。それに──」

 足が止まると、くるりとこちらに向いた。

「咎人《とがびと》」

「……なに?」

 その言葉を聞いて、私は視線を逸らしてしまった。

「だから【咎人】よ。彼らの持つ能力に、死に戻りがあるのかもしれない。一度死んで、特定の場所に戻る力がね」

「……だとしたら、私はどうしたらいい?」

 慎重に言葉を選んで質問する。頭の片隅で、咎人の言葉がこびりついていた。一生、思い出したくはない言葉……。

「どうにもできないわね。とにかく現時点では、原因がわからない。紋章の可能性もあるし、咎人の可能性もある。それか全く偶然の可能性だって。ほら、よく言うじゃない? 神は気まぐれだって」

 神は気まぐれ……そんな言葉で片付けられたら困る。ただでさえ、秘書官の任務を果たすのに精一杯なんだ。王子といると緊張するし、他とのやり取りも神経が削られる。その上、わけのわからない死に戻りなんて。

 またしても両手で頭を抱えてしまった私の肩を、フリーダはポンと叩いた。

「でも、その力役に立つんじゃない? 一度、王子が亡くなってしまうところを見てるんでしょ? だったら、そうならないように回避すればいいじゃない」

「……回避、だと? 回避できるのか?」

 フリーダは本棚にある魔導書を手に取りながら、質問を続けた。

「死に戻ってからの展開は全く同じように進んでいるの? 多少でも違うことはなかった?」

「違い。……そう言えば、侵入したお前の仲間と戦ったとき前とは違う台詞を吐いていた」

「はぁ。あんな奴仲間でもなんでもないわよ。王子に会える近道だと思ったから利用させてもらっただけ」

 そう言えば、こいつは王子に会うために王宮に忍び込むというとんでもないことをしでかした奴だった……。

 そんなとんでも娘はふふっと、自信ありげに微笑んだ。

「だったら回避は可能じゃない? あなたの死に戻りの力で王子の死を回避すればいいのよ」

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